建設的なケンカ

2023/05/25

battle

これはなに?

先日、妻と激しめの口喧嘩をしたのだけど、結果的にお互いスッキリしたし、いいケンカだったと感じたのでなぜそう思ったのか深掘りしてみる。 口喧嘩というと、パートナーや友達とのものを連想するけど、仕事上でも同僚と意見の衝突とかが全くない人はいないだろう。加えて、必ずしも常に同調して穏便に過ごせば良いというものでもないよなと思うと、このネタに関連するシーンは多そう。

建設的なケンカとは

互いの理解が深まり、問題を解決するためのアクションが決まると、よいケンカだったといえると思う。逆に、つらいケンカとして連想するのは、「互いに怒鳴り合って、相手の理解は進まずに、心が傷つく状態」。

「互いの理解が深まる」をもうちょっと分解すると、次のようなことがありそう。

  • 互いの価値観の違いを知る
    • 共感する必要はなく、相手はこう感じるのかと理解が進むこと
    • たとえば、「食器洗いのときには、こうやってやるのが当たり前」などの考え方とか
  • 起こった問題の認識があう
    • 相手はここで不満を感じたのかと発見できたり、相手がなぜこう思ったのかと知れたり

こうやって考えると、 書籍 イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」で取り上げられている、「考える」と「悩む」の違いと似ていそう。

  • 考える: 結論を出す・方向性を見出す
    • vs 悩む: ぐるぐる考える
  • 建設的なケンカ: 互いの理解が深まる、問題解決のために動き出す。最終的には和解する
    • vs つらいケンカ: 互いの感情をぶつけるだけ。理解しようとせず、心が傷つく

どうしたら、建設的になるか

もっとあるとおもうけど、思いついたものを列挙する

向いている方向が互いにあっているか確認する

そもそも、何を目指してモヤモヤしたのか、の前提があっていないことも多いと思う。 自分が過去にあったのは、「時間通り、子供を寝かしつけること」をゴールにしていたけど、子供がご飯を食べてくれなかったりで、自分もストレスが溜まり子供に対して起こってしまったような出来事。そうなるくらいだったら、「時間通り」をゴールにしないで、「食事を楽しむ」ことをゴールにしたほうが良いよねって話してうまく過ごせるようになった事があった。

相手に伝える、伝わっているか観察する

特に夫婦とかだと、口喧嘩がヒートアップしがちだと思う。ヒートアップして頭にきていると、相手の話を聞き入れられなかったりして、とにかく相手を言い負かすことがゴールになっちゃったりする。そうしてお互いにヒートアップして怒鳴り合ったりしても、互いの話が頭に入ってこない。

「怒っているよ」など感情を伝えること自体は大事だと思う。しかし、感情的になりすぎないこと、また「いま自分は感情的になっているかも」と自覚することが大事そう。

より具体的に意識したいのは、「自分の考えを伝えようとしているか」「相手に伝わっているか」。つまりは、相互理解をしようとしている状態になっているかを、冷静になって考えよう。もし、「相手に伝わっていないな」と観察したときには、間を少し置くとかするとよいと思う。

タイムリーに伝える

とはいえ、タイムリーに伝えることはとても大事。今こう思ったということは、早めに伝えること。

昔こうだったよね、とか過去に不満をもっていたことを積み上げて伝えるのは避けている。記憶誤りにもつながるし、そもそも溜め込む前にいってよと思う。

相手の立場に立つ

相手の立場になれるか、なぜそう思ったかを理解しようとしているか、が大事になる。より踏み込むと、理解するために「相手の大変だと思ってること」は、自分もやったことがあるか。たとえば、xxの家事が大変っていっているけど、自分もそれをしたことがあるか。やったことがあったとしても、指示されたことをこなしているだけじゃないかなど(どうやるか、から考えるのが大変だったりするよね)。

ケンカ・衝突はしないほうがよいの?

絆を深めよりよい関係を築くためには、「ケンカ」や「衝突」は必須だとおもう。

タックマンモデルでも「混乱期」を経て組織は成長するといわれているし、 成功する組織の要因として注目されている「心理的安全性」では「対人関係のリスクを取っても安全だと信じられる職場環境である」ことが重要だとされているので。

まとめ

絆を深めよりよい関係を築くためには、たとえ相手と意見が対立したとしても、自分の考えを伝えて互いの理解を深める必要がある。その際に、互いに感情的になり口論となり、一時的に険悪な雰囲気が流れることもあると思う。

そういったことを乗り越え、お互いの絆を深めるには「どういう口論を目指すとよいのか(=建設的な口喧嘩)」や「そのためにどのようなことを心がければよいのか」を考えてみた。

写真:Koshu Kunii on Unsplash


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